春の魚から夏の魚に変わり只今、伊勢湾・三河湾では一年の内で最も活気のある時季を迎えております。例えばこの季節の地魚の代表と言えばさより・真アジ・シャコそして、貝類で言えばトリ貝・アサリ・ハマグリ・タイラ貝・ミル貝・白ミル貝等があります。そして6月に入りますと皆さんのお好きな穴子がいよいよ美味しくなる季節なんですよ。
さて、今回はこの季節三重県で揚がる魚の代表 かつおについて少しお話をしましょう。かつおと言えばこの季節 黒潮に乗って太平洋側を北上する魚ですね。この時期かつおの群は紀伊半島あたりにいるのです。ですから、尾鷲・紀伊長島港より新鮮なかつおが入荷するのですが、今年はこの黒潮に異変がありかつおが捕れないのです。どんな事が起こっているかと言いますと、黒潮が紀伊半島より駿河湾あたりまで大きく蛇行をしているのが原因なんです。
先日この事が新聞で記事になっておりましたね。人工衛星がとらえた黒潮の流れをご覧になられた方もいらっしゃると思います。十数年振りの大蛇行だそうです。こんな事があると私達の仕事にも影響が出てくるのです。三重県で捕れない分を漁師さん達は遙々千葉県の沖合まで行きそこで漁をしているのです。そして、千葉県の市場に水揚げされ、三重県にも出荷されているのです。ですから、相場も昨年より高い値段で動いております。
『まだこの時季は千葉県のかつおが食べられるのがおかしな話しだ!』と聞こえてきそうですが、困った事です。こんな事があるとまた、地球環境の事まで考えてしまうのは私だけでしょうか…
研究機関も黒潮の蛇行のメカニズムはまだはっきりとした原因はつかめてはいないのが現状なんですよ。
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